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縦STGの16:9比率に挑戦する『TATSUJIN EXTREME』プレイレポ&開発者ミニインタビュー!【TGS2023】

縦STGにとって16:9比率を活用するのは難しい。しかし、『TATSUJIN EXTREME』はその解決策を出せそうです。

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縦STGの16:9比率に挑戦する『TATSUJIN EXTREME』プレイレポ&開発者ミニインタビュー!【TGS2023】
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幕張メッセとオンラインの両面で開催された国内最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」。今回は本作のタイトルとほぼ同名のTATSUJINブースにてプレイアブル出展された、シューティングゲーム『TATSUJIN EXTREME』のプレイレポをお届けします。

現代の解釈で創り出す新たな『TATUSJIN』

『TATSUJIN EXTREME』は、東亜プランの名作シューティングゲーム『TATSUJIN』を踏襲した全くの新作で、ゲームシステムそれ自体は2DSTGですが、自機や敵機、背景などは3DCGで描写されています。画面比率も旧作のような縦長の3:4の画面でなく、16:9と現代のディスプレイに合わせたものとなっています。

今回プレイアブル出展されたバージョンはTGS2023版仕様。ステージに出てくるコンテナなどを破壊することで入手できる4種類の武装や、スピードアップなどのパワーアップアイテムなどを駆使して戦います。残機は無限であったもののボムの数に制限があり、プレイできるステージも最初の1ステージのボス戦までとなります。

ゲームを開始すると、自機の発進シークエンスが描かれてスタートします。登場するショットは3WAYから始まるパワーショット、雷撃が敵に張り付くサンダーレーザー、直進性のある緑弾のTATSUJINビーム、そして敵へ誘導されるホーミングショットの4種類。ステージで流れるBGMもオリジナル版を踏襲したものとなっており、懐かしくも新しい内容です。

敵を倒すシューティング感覚についてはメガドライブ版『TATSUJIN』などと大きな違いはなく、当時のゲームプレイ感覚に近いものに。パワーアップシステムも健在で、3つほどアイテムを手に入れるとショットが変化。攻撃範囲を広げる火線を増やす他、このパワーアップしたレベルがそのまま自機の耐久力にも繋がっていきます。被弾してレベルが下がり、レベルが0になって初めて撃破というシステムなため、STGとしては微妙に倒されにくくなっています。

縦スクロール+アスペクト比16:9のシューティングゲームは広い横空間を如何にして使いこなすかが難しいからか、これまでいくつか登場したものの数は少ない印象で、どちらかと言えば横スクロールや3:4比率の作品が多かったようにも思えます。

本作をプレイしていて特に気持ちの良い調整に仕上がっていると思えたのが、この16:9比率と機体が左右に移動した時に連動する背景の動きです。機体の左右移動に合わせて背景が動くことで、空間の幅広さが演出されています。16:9の縦STGでありながらも4:3的な感覚を呼び起こしているのが素晴らしく、やり過ぎると目立ってしまうような動きも絶妙に変化して飽きさせないようにしています。

本作が令和という時代に開発されたことを象徴する点は、オリジナルには無かった小さな敵機から発生する撃ち返し弾が弾幕チックであることでしょうか。

それら大量の撃ち返し弾を見越して雑魚をボムで処理するか、気合で避けるか…。敵の出現パターンを覚えて倒していくだけでない、戦略的な駆け引きが生まれている部分が新しさだと思えます。大型のザコが複数いる、小型の敵が大量に出るなどボムを上手に使うべき場面が多く、新鮮さを感じました。

プレイアブル出展されたタイトルではありますが開発途中のバージョンであるため、バランス調整なども含めて調整を要する部分もありますが、それでも本作が完成したら「とても面白いSTGになるのでは?」と期待を抱くプレイ感覚であったことは確かです。

昨今はインディーのみならず、メーカー側からも本作のように現代に則した新しい解釈でシューティングゲームが開発されています。この令和に、シューティングゲームの新時代が到来しつつあるように思えました。

『TATSUJIN EXTREME』は、2024年にPS5向けで発売を予定しています。

改めて新作として登場する『TATSUJIN EXTREME』のテーマとは!?

本作のプレイ後に、ブースにいた株式会社TATSUJINのプログラマーである安達宏氏を中心に、開発陣へのミニインタビューを実施しました。


――現代に新作として誕生した『TATSUJIN EXTREME』が持つテーマを教えてください。

安達宏氏『TATSUJIN』のリバイバルや、縦スクロールシューティングゲームの復活という位置づけです。新しいコンセプトを見せながら、昔のユーザーにも楽しんでもらえるような品質を目指して開発しています。

――本作において新たな武装が追加されましたが、さらに新しく追加されるシステムなどはあるのでしょうか?

当初『TATSUJIN』は3つの武器があったので、今回のTGS2023版において1つ足している状態です。加えて、画面比率が変わることで「新しい武器が欲しいよね」という話をしているので、さらに登場する可能性は高いと思います。

――本作を試遊してみて89年の『TATSIJIN』稼働以降に生まれたSTGのエッセンスが多く注がれていると思いました。

シューティングゲームの難易度的なものや、昔のセオリー的なものが今にも残りつつ新しくなっているので、時代と共に進化してきたものを表現出来たらと思います。旧来のファンだけでなく、新規のユーザーにも楽しんで頂けるような姿勢で開発を進めていきたいと思っています。

――開発がスタートしたのはいつですか?

会社の立ち上げ当初から構想レベルでは存在していましたが、実際に開発をスタートしたのは去年から今年にかけてです。少数精鋭で開発していますが、今回は参考出展という形でお見せすることが出来ました。

――本作は画面比率が16:9で構成されていますが、これまでに登場してきた16:9の縦STGとは少し異なる印象を受けました。16:9でありながらも横方向へのスクロールが本作を形作っていると思います。

レトロゲームの現行機移植の流れがあり、昔のシューティングを遊ぶ機会が増えていると思いますが、「4:3という画面構成を変えるとどうなるのだろう?」という興味から試行錯誤しているのが現状です。

――TGS2023における『TATSUJIN EXTREME』の完成度はどれほどですか?

完成度を聞かれると難しいですが、イメージとして20%ぐらいです。それでも遊びの楽しさの片鱗が伝われば嬉しいと思っています。

――なるほど。20%は、ある意味ゲームの基礎が出来上がった段階ぐらいなんですね。

そうですね。ステージのギミックや面白い敵キャラを考えて組み立てていければなと思っています。

――最後に本作を楽しみにしているシューティングゲームファンに向けてメッセージをお願いします!

開発陣はいいおじさんが多いので、おじさん達が楽しめるものを作って頑張りたいと思っています。是非期待していただけると嬉しいです!

――ありがとうございました!

中央にいるのが安達宏氏とTATSUJINスタッフ。右がプロジェクト総括の楠伸弥氏。
《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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