伝説の原始生活ゲー『太陽のしっぽ』新サントラ発表記念!不思議で心地よい「世紀の奇ゲー」の魅力【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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伝説の原始生活ゲー『太陽のしっぽ』新サントラ発表記念!不思議で心地よい「世紀の奇ゲー」の魅力【特集】

リマスタリングされたサウンドトラックは、CD/LPにて2024年8月21日発売予定です。

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ディスクユニオンのレーベルグループCASSETRONは、アートディンクの『太陽のしっぽ』のリマスタリング版サウンドトラックを2024年8月21日に発売すると発表しました。CD/LPでの販売です。

太陽のしっぽ』は、1996年にアートディンクがプレイステーション向けに発売した原始生活ゲーム。本作の舞台は今から遥か昔の原始時代。プレイヤーは原始人の守護霊となり、集落を導く原始人を操りながら人口を増やし、やがて太陽まで届くまでの塔を作り上げるのが目的です。

「世紀の奇ゲー」とも言われる本作は、原始人の本望に赴くままに行動するワイルドでシンプルな生活を再現。『アクアノートの休日』『巨人のドシン』など多くの作品で知られる飯田和敏氏によって作られた世界は、なぜか和菓子や謎生物が存在する、不思議で魅力的な原始時代です。

筆者はプレイステーションが現役機だった頃に本作をゲーム屋で見つけてなんとなく購入し、その雰囲気に圧倒された過去があります。本稿では、サウンドトラックも新たに登場する『太陽のしっぽ』を紹介していきます!


OPから「すごいゲーム」であることを感じます

『太陽のしっぽ』は、まずオープニングから是非堪能していただきたい作品です。原始時代の壁画風で、逃げる動物と追いかける人間、そしてその背景には「Wild Pure Simple Life」の文字。背後には太鼓の音を中心としたBGMが流れ、タイトルが表示されます。

ゲームはまずセーブデータ名を入力するのですが、そこには謎の顔面アップが待ち受け、ゲーム開始のロード画面では大量の顔パターンがプレイヤーをお出迎えしてくれます。問答無用のインパクトで畳み掛けてくるゲーム開始までの展開ですが、このすべても本作を象徴してるといっても言い過ぎでは無いと思います。

本作でのプレイヤーの仕事は「原始人の守護霊」で、その目的は人類を進化させるために太陽に届くまでの塔を作れるように人々を導くこと。集落にいる初期の原始人の中から1人選び、彼を操作しながら集落を発展させていくのです。いよいよ最高にワイルドでピュアで、そしてシンプルな原始生活が始まります。

ちなみにゲーム内にはチュートリアルやシステム説明のようなものは、ほとんどありません。説明書にある程度の遊び方があり、こちらも雰囲気が独特なので、遊ぶ際にはぜひ読んでくださいね。

生きるために、繋げるために喰らうのだ

本作の舞台となるのは大きな島のような場所で、集落のあるメインの島の周囲にもいくつかの小さい島が配置されています。おそらく最初に気になるのは、マップ内の至る所に落ちている「和菓子」の存在でしょう。

『太陽のしっぽ』では、プレイヤー操作キャラが食事を摂ることで頭や腕力、ジャンプ力といった基礎ステータスが成長していきます。食べるものによって成長する部位は異なるので、いろいろな「和菓子」や植物などをひたすら食べることが原始生活の第一歩です。

ちなみに、この和菓子は京都の老舗和菓子屋「京菓匠 鶴屋吉信」さんに協力してもらい、実際の和菓子を元に作られたものだとゲーム内で説明されています。そのため、どの和菓子も美味しそうで、実際にゲーム内では強くなるために片っ端から食べていくものです。理屈じゃないんです、食べるんです。

ある程度強くなったのを実感したら、次はいよいよ本格的な狩りの始まりです。マップ内にはサルやカバ、ダチョウやサーベルタイガー、そしてマンモスといった野生生物がおり、倒すことで「肉」を入手できます。この「肉」を持ち帰れば、集落の人口が増えていくのです。

お肉は拾えばそのまま集落に帰れます。帰らずに食べることもできますよ。

集落が発展することで文化が生まれ、狩りが楽になる武器を発明することもあります。武器が強くなれば狩りでもっと「肉」を入手できるようになり、集落はもっと発展していくでしょう。食べることと強くなることは、すべて繋がっているのです。

遥かな未来のために繋げていく物語

プレイヤーが操作する原始人は決して不死身ではありません。野生生物に襲われて死ぬこともありますし、遠い島を目指して途中で溺死することもあります。穏やかに生きていても、やがて寿命が来て死んでしまうのです。もちろんそれでゲームオーバーではありません。

なにしろ原始人は簡単に死んでしまうのです。ちょっとの好奇心で殴った野生生物が思ったより強かったりすることも珍しくありません。操作キャラが死亡時は再び集落で、新たに操作する原始人を決定します。食べ物によるステータスアップ効果は、基本的に引き継がれているので安心しましょう。

また、マップ内のどこかにはプレイヤーに力を授けてくれる謎の石碑も用意されています。この石碑からもらえる「入れ墨」は能力を上げるだけでなく、世界中を移動するために便利な水中ジャンプなどの効果もあるので、積極的に活用していきましょう。

集落で引き継いでくれる原始人がいない場合はゲームオーバーになりますが、基本的に「肉」で発展させることを考えれば、そのような事態はなかなか起こりません。『太陽のしっぽ』はこうして少しずつ集落を発展させ、能力を上げ、次々と受け継いでいく作品でもあります。



だんだん後継者の見た目も変わってきますね。
お祝いのダンス。
狩ってきた獲物もヒストリーで閲覧可能。

ワイルドすぎる睡眠に注意

ゲーム内で原始人は「眠たくなったら寝る」というシンプルな行動ルールがあり、夜が来て限界を迎えると、例え走っていてもジャンプしていても、戦闘中でも、山登りの最中であっても眠ってしまいます。

寝ている間は当然無抵抗で、サーベルタイガーなどの攻撃的な野生生物に狙われると大ピンチです。また、急な坂などの地形では体がずり落ちていくので、山登り中に寝てしまって運が悪かったらそのまま海へと落ちていくことも珍しくありません。

お肉を前に寝る。一定時間で消えるため持ち帰れませんでした。これも原始生活。

ダメージを受ければ強制的に目は覚めるので、眠りで理不尽な死を迎えることはほとんどありません。しかし、眠りが足りないと再び寝ようとしてしまうので、どうしても行動が制限されてしまいます。なるべく夜は平らな場所、安全な場所を探すのも一つの生き方です。

とはいえ、このワイルドすぎる素直な睡眠欲は作品の魅力でもあります。筆者は発売当時にひたすらダッシュジャンプでマップを飛び回っていて、とても高い山頂で眠りながら落ち続けた原始人を見て大笑いし、このゲームの虜になりました。本当にいきなり眠るのが、なぜかとっても面白いんですよね。

そしていつかは太陽へ

本作の目的である太陽を目指す塔の建設には、この時代のボスとも言える強大なマンモスを倒さなければなりません。そのためにプレイヤーはひたすら飯を食い、集落を発展させ、原始人たちを強くたくましく育ててきたのです。

マンモスは集落からそれなりに離れた場所にいて、プレイヤーを見つけると攻撃してくる凶暴な生態です。慣れないうちは正面から戦うのは危険なので、落ちている石などを投げてぶつけたり、機動力を駆使して戦いましょう。基本的にダッシュジャンプは回避にも距離を詰めるにも万能です。

お肉はその場で食べてしまいましょう。

マンモスを倒せば周囲に「肉」と「象牙」をドロップします。この「象牙」こそが、太陽を目指すための塔を作るための重要なアイテム。集落に持ち帰ることで組み上がっていき、それがやがて天を突くような塔になったとき、この物語は終りを迎えるのです。

ちなみにゲームはマルチエンディングで、これまでのプレイ内容で結末は異なります。エンディングを含めて最後まで『太陽のしっぽ』という作品を駆け抜けていく内容なので、ぜひとも自身の目でご覧いただきたいものです。




『太陽のしっぽ』は不思議な作品です。ゲーム内でほとんど説明もないまま世界に放り出され、なぜか和菓子を食べ、世界を駆け巡り、好きなときに寝るのを眺め、やがて死んで受け継がれていくのを体験していきます。本当にワイルドでシンプルで奇妙すぎる世界観なのですが、それでいてしっかりとシステムが繋がっている不思議な体験が味わえる作品です。

ゲーム内では環境音だけが流れる穏やかな時間だけでなく、さまざまなBGMが突如として流れてゲームを盛り上げます。どの曲(と効果音)ともに印象深く、8月に発売される新たなサントラの登場で聴く人や機会が増えるのは嬉しい話です。

世界を観光するのもおすすめです。

「Tail of the Sun / 太陽のしっぽ オリジナル・サウンドトラック」は、2024年8月21日にCD/LPで発売予定です。

音楽プレーヤーでゲームCDを再生すると隠しトラックが。昔はよくありましたね。
《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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