■少女の15年に渡る感情の旅路を追う
主人公のジョディは、物心ついたときからエイデンと呼ばれる不思議な霊体と見えない鎖のようなもので繋がっている。ゲームは、エイデンとは何なのか、何故そこにいるのかわからないまま、様々な困難や葛藤と立ち向かいながら成長していくジョディが“ありのままの自分”を受け入れるまでを描く。
ジョディの8歳から23歳までの15年間の人生を追体験する構成となっている本作では、時間軸が前後する短いエピソードを次々と進めていく形となる。巧みな構成もさながら、海外ドラマを観るように毎日短時間ずつ進められる点も嬉しい。ストーリーはプレイヤーの選択により多様に変化し、異なる結末を迎える。2,000ページという膨大な量のシナリオが用意されたという。
■ハリウッドスターとリビングでの共演
ジョディを“演じる”のは『JUNO/ジュノ』(07)でブレイクし、『ローラーガールズ・ダイアリー』(09)、『インセプション』(10)など話題作への出演が続くアカデミー賞主演女優賞ノミネート俳優、エレン・ペイジ。脇を固めるのは『プラトーン』(86)、『シャドウ・オブ・バンパイア』(00)、『スパイダーマン』(02)などで演技派俳優としての地位を確立したウィレム・デフォー。他にも数多くの実力派俳優たちが出演する。
彼らはボイスアクトだけでなく、ゲームに登場する全てのシーンでの演技を実際に演じている。通常の映画を遥かに上回る膨大な量の演技はもちろん、それらをゲーム内で再現したモーションキャプチャ技術にも注目だ。
本作の制作を手掛けるのはフランスの制作会社Quantic Dream。「英国アカデミー賞」をはじめ、「日本ゲーム大賞2010」ゲームデザイナーズ大賞など数多くの賞を受賞した『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』でゲームファンにはお馴染みだが、同時にモーションキャプチャ技術でも、映画など各方面から定評を得ている。
同社のキャプチャ技術はパフォーマンスキャプチャと呼ばれ、緻密なフェイシャルキャプチャにより、俳優の繊細な表情や眼球の動きまでもゲーム内で再現することが可能。これに容姿はもちろん肌の質感まで鮮明に表現された高水準のCG技術が合わさり、ゲーム内に登場するキャラクターは全て、まるで本人のような存在感をもつ。
実在の俳優が演じるキャラクターを操り、ときには彼らの運命の決定権を握れることはゲームならではの醍醐味だ。ただ眺めているだけではなく、自ら動かすことで紡がれる物語は、映画では得ることのできない感情体験をもたらしてくれる。
■スマホがあればすぐにプレイできる
ここまで読んで本作が気になってきたものの、PS3はBD再生ばかりでコントローラーなんて長いこと触っていないなあ、という人には朗報だ。本作ではPS3初のスマートフォン/タブレット連動機能が用意されている。iOS/Androidともに専用の無料アプリをインストールするだけで、スマートフォンやタブレット端末をコントローラーとして使うことが可能だ。
「BEYOND: Touch」アプリを利用できる条件はシンプル。PS3とスマートフォンもしくはタブレット端末を同一のローカルネットワークに接続するだけ。あとはゲームとアプリを起動し、双方からコントローラーとして認証する。
もともと複雑な操作を必要とせず、画面に表示されるボタンを押したり、コントローラーを振るなどの指示に従うだけで進めることができる本作だが、スマートフォンやタブレット端末を使えば、更にシンプルで直観的な操作が可能になる。慣れ親しんだ端末で、タッチやスワイプ、ホールドなど指一本だけでプレイすることができるのだ。
また、本作には映画を鑑賞するように複数人でも楽しめるよう、2人での協力プレイも用意されている。その場合のセカンドコントローラーや、ゲームに慣れていない友人用としても本アプリは活躍するだろう。
『BEYOND: Two Souls』はPlayStation 3にて発売中。
インタラクティブシネマ『BEYOND: Two Souls』のススメ
《ひよKing》関連リンク
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