気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Dynamic Media Triad開発、PC向けに11月30日リリースされたヴェイパーウェーブ風パズルアドベンチャー『Broken Reality』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ヴェイパーウェーブ風のパズルアドベンチャー。インターネットサイトが2Dページではなく3D空間に存在する世界を舞台としており、様々なギミックから「いいね」を集めます。レトロで不気味、カオスな体験が特徴。記事執筆時点では日本語には対応していません。
『Broken Reality』は1,520円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Sebastian:本作のゲームデザイナーをしているSebastian Covacevichです。このような場を提供していただき、ありがとうございます。
Galamot:アーティストのAdrian de la garza、別名Galamotです。
Rodrigo;本作のプログラマーのRodrigo Sacoです。ゲームに対する情熱をずっと持っており、ゲーム開発が子供の頃からの夢でした。私の人生を変えたゲームは『メトロイドプライム』です。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Sebastian:本作の開発初期に、Galamotに誘われてこのプロジェクトに参加しました。最初の一年間はサイドプロジェクトとして活動し、その後彼と一緒に引っ越し、フルタイムで開発を始めました。それから一年後、RodrigoとRaulが参加し、本作の開発が本格的にスタートしたのです!
Galamot:本作のアイデアは2014年の初旬、ある夢を見た後に書き出し始めました。夢の中で、私は木に生えている花を見つめているのです。私はその木の周りを歩き始めたのですが、その花はまるでビデオゲームの2Dスプライトのようにこちらの方をずっと向いていました。この時、私は夢を見ているのだと気づき、ゲームは現実をシミュレートしているのだということを考えさせられました。そしてこのアイデアをゲームで追及してみたいと思ったのです。
まず、本作の最初のコンセプトアートとアイデアで私を助けてくれた人々のチームと一緒に本作の開発を始めました。その後、デザイナーのSebastianをパートナーとし、アート、コンセプト、システムを一年かけて一から作り直しました。その目的は、開発資金を集めるためにKickstarterキャンペーンをすることだったのです。最初の挑戦は失敗でしたが、ローンチする数日前にRodrigoがプログラマーとしてチームに参加し、小さなパブリッシャーのDigital Tribeも興味を持ってくれました。彼らと契約し、2016年の後半からフルタイムで本格的な開発を始めました。
Rodrigo:私はプログラマーがチームにいませんでしたので、Sebastianに誘われ、2016年の夏に参加しました。当時、私は子供向けの教育ゲームの開発をしていました。参加する数ヶ月前からこのプロジェクトのことは知っており、気に入っていましたので、喜んで参加しましたよ。まずはそれから数年に渡って使うことになるゲームツールの開発から始めました。
――本作の特徴を教えてください。
Sebastian:本作のビジュアルとゲームプレイのスタイルは、一般的なビデオゲームとは異なるのではないでしょうか。アクションという面では比較的ゆっくりとペースですが、『ゼルダの伝説』のようなダイナミックスさも持ち合わせています。美しい世界と素晴らしいオーディオにより、他とは異なる体験を作り出しています。
Galamot:本作ではカットシーンや重い会話シーンではなく、環境やシステムで物語を作り出しているのが興味深いのではないでしょうか。
Rodrigo:モダンなデザインに頼ることなく、面白い冒険を実現しようと挑戦しました。それぞれのアクティビティはエンターテインメントであることを念頭に入れデザインし、長い目で見てどうなのか、短い目で見てどうなのか、タイムアタックとしてはどうなのかなど、気を使っています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Sebastian:本作において最も大きな影響を受けたのは、ヴェイパーウェイブの美学とそのメッセージです。しかし個人的には、須田剛一氏(注:ゲームデザイナー)による作品、特に『killer7』から影響を受けており、デザイナーとしてはもちろん、ゲームを芸術表現の場として扱うということに目覚めさせていただきました。
Galamot:本作のコンセプトは多くのものから影響を受けていますが、多くはインターネットのサブカルチャーや80年代の未来予想図から影響を受けています。私たちは皆、様々な異なるゲームから影響を受けていますが、私自身は特に『LSD』、『Rez』、『塊魂』、『ゆめにっき』と言った日本のカルト的なゲームから影響を受けています。アート面では、初代プレイステーションやニンテンドウ64、ドリームキャストのゲームのような見た目を実現しようと試みました。
Rodrigo:個人的には、私がゲームというものの好きな要素すべてから影響を受けています。何かを見つける感覚、さまよう感覚(『メトロイド』、『DARK SOULS』)、コントロールを束縛しない進行(『Half-Life』)、そして何かを集める喜び(『バンジョーとカズーイの大冒険』、『マリオ』)です。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Sebastian:もちろんです!余力ができ次第、本作の翻訳を進める予定で、日本語には必ず対応させます!日本という国は本作のあらゆる要素において多大な影響を与えていますので、日本語に翻訳しないなんてありえません!
Galamot:日本語対応は是非したいと思っています。いつか必ず実現するでしょう。
Rodrigo:はい!コントローラー対応が実現したら対応できるかもしれません。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Sebastian:ぜひ本作を遊んでみていただきたいですし、楽しんでもらえるとすごく嬉しいです。ビデオゲームというものにおいて、日本はすべてを私に与えてくれた国ですので、皆さんに楽しさをお返しできれば、これ以上ない喜びです。
Galamot:(日本語で回答いただきました)昨年に東京に6ヶ月住んでいました。その間にゲームで働いていた。時都市の音と外観に触発されました。本当に細部に日本の注意を感謝しす。ゲームを楽しんでほしい。みなさんありがとう!
Rodrigo:日本のゲーマーの皆さんでしたら、本作の内容について、とても興味深い目線で見られるのではないでしょうか。私たちは本作内のデジタルワールドにおける多くのものをメキシコの目線で見ているからです。また、本作の冒険は私たちの努力の結晶です。皆さんに遊んでいただけると光栄です!
――ありがとうございました。
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