編集部による『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』ミニレビューひとまとめ | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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編集部による『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』ミニレビューひとまとめ

『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』におけるオープンワールドを意識した演出は、観るものを小島ワールドへと一気に引き込んでくれる。

家庭用ゲーム PS4
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■ 観るものを小島ワールドへと引き込む映画的演出
by 河合律子

映画『ゼロ・グラビティ』に見られるような途切れないロングカットや、カットシーンとプレイシーンの切り替えを1カメに徹底するといった、『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』におけるオープンワールドを意識した演出は、観るものを小島ワールドへと一気に引き込んでくれる。また、アナモルフィック・レンズによって引き伸ばされたフレアが、暗闇の中から見る光源に臨場感を与えていることにも注目。

加えて特筆すべきは、必要最低限にまで簡略化されたスネーク操作時のUIである。装備中の武器や残弾数は確認できるものの、ライフゲージや敵の警戒状態をあえて表示しないことで、アナログ世界のような視認不可能な緊張感を演出していることである。被ダメージ時にカメラに飛散する血液や、古いフィルム風に焼けていく画面の変化からは、初期の『バイオハザード』シリーズや近年の『Dead Space』シリーズに見られるような、数値化されない"緩やかな死"の訪れを感じさせる。

さらに、映画を思わせる演出はキャラクターの会話部分にも見られる。登場人物のリップシンクを英語ベースにしていることから、アフレコされた日本語ボイスは吹き替え映画を連想させる。各主要キャラクターが登場する際に人物名と声優名を画面表示する小島スタイルと相まって、日曜洋画劇場を彷彿させる様からは映画への強い想いが伝わってくる。

最後に、スネークが吸っている葉巻にも着目した。『MGS3』冒頭のHALO降下直前と『MGS PW』の作中ではホヤ・デ・ニカラグアと思われる葉巻を吸っており、バーチャスミッション後に病室で目覚めた際にはゼロ少佐からハバナ産を勧められていた。本作では、ゲームモード選択画面でスネークが葉巻を吸っているが、形状は少し異なるものの、ラベルはレイデルムンドのシュワスプリームと思わせるデザインである。どれも冷戦時における東側諸国の葉巻であることから、スネークの葉巻に対する強いこだわりと、その人物像へ掛ける小島監督の情熱が伺える。


■次世代機のグラフィックに驚愕 ピースウォーカーをプレイせねば!
by 森元行

筆者がメタルギアシリーズをプレイするのは、『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』以来、実に6年ぶりである。『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』をプレイして、まず驚いたのがゲームのグラフィックス。キャラクターの表情などが『MGS4』とは比べ物にならないほど向上している点だ。さすが次世代機といえるクオリティーで、キャラクターの髪が風になびいたり、雨粒一つ一つの表現は非常にリアルで感動を覚えたほど。

ゲームの操作性は、『MGS4』との変更点が多々あるものの、慣れてしまえば違和感はなくなる。インターフェースを極力減らし、プレイヤーのゲームへの没入感はかなり高まったと言えよう。

MGS特有のユーモアさは引続き継承されているようで、例えば、ビックボスをピックアップにきたヘリコプター内に手榴弾を投げ込むと「冗談では済まないぞ!」とカズヒラ・ミラーが激怒するなど、くすりと笑える要素も詰まっている。

ことストーリーに関して言うと、筆者のように『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』をプレイしていないユーザーは理解するのが難しい部分もあった。そもそも「パス」「チコ」「カズヒラ・ミラー」のキャラクターの立ち位置やマザーベースについての知識がある程度ないと、疑問だらけになるだろう。加えて、プロローグという位置付けであるためメインストーリーもボリューム満載と言える内容ではないため、物語の展開を重視するユーザーにとっては、少し歯がゆい感覚を覚えるかもしれない。本作をプレイして筆者は、改めて『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』の内容に興味を持ち、現在プレイ中である。


■“基地無人化”縛りプレイでわかった作り込み
by 真ゲマ

筆者は、ゲームを一通りクリアした頃、敵兵士全員を気絶させ、支援ヘリに送り込み、基地を無人化させる、という縛りプレイを思いつき、実践してみた。

ミッションは「帰還兵排除」を選択、「目」と「指」と呼ばれる二人のターゲットを排除するのが目的だ。昼間であるため、敵に見つかりやすく、常に細心の注意を払わなければならない。まずは、敵の行動範囲や大まかな位置を把握した上で、行動する必要がある。ここで優先するのは二人のターゲットをいち早く捕まえる事。気長に一人一人気絶させていたら、時間制限でゲームオーバーになってしまう。ターゲットの行動範囲を完全に把握した上で、作戦を立てなければならないのだ。筆者は基地に点在している乗り物で、ターゲットの進路にバリケードを設け、待ち伏せする作戦を決行。見事に成功し、支援ヘリへと送り込む。

任務完了のBGMが流れるが、そんな事は無視して、人が少ないエリアから着実に敵兵士を排除していく。しかし、ここである事に気がついた。「敵兵士がいなくなると、他の兵士が巡回ルートを変更する」という事だ。つまり、このエリアには誰もいないと油断していたら、行動を変えた敵兵士に見つかってしまう。常に周囲の状況を確認し、敵をマーキングして行動する必要があるのだ。そして、何より難関なのが、要塞化されている管制塔。敵兵士が密集しているため、一人一人を気絶させていくのは難しい。そこで無人のエリアでC4爆薬を設置し、爆発を起こす陽動作戦を決行。見事、敵兵士を分散し、要塞の無力化に成功した。

最後は、わざと監視カメラの前に立ち、基地を無人化した事を確認。10時間以上苦戦した甲斐あって、非常に達成感に満ちあふれた。あなたも様々な遊びを考えてプレイしてみてはいかがだろうか。


■前世代機と次世代機でプレイ、フレームレートの変化に注目
by G.Suzuki

『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』の各プラットフォームのグラフィック描写やフレームレート(fps)に関して、公式に比較映像と画像が公開されているが、実際の感触や違いを確かめるべくPS4版とXbox 360版の両方をプレイしてみた。

前世代機と次世代機では、大気散乱シミュレーション(Atmospheric Scattering)、解像度、ライティング、テクスチャーなど確かに違うことがわかるが、普通にプレイするだけなら特に変わった印象を受けなかった。しかし注意して見ると、前途のフレームレートには大きな変化が感じられ、ゲームプレイの他にもカットシーンに影響を与えている。特にオープニングでは、カメラの手ぶれ演出や 滴り落ちる雨粒などがより鮮明に見えるため、次世代機版では何が動いているか良く理解できた。一方で30fpsの前世代機版も捨てがたい。なぜなら映画も元々24fpsで描写されているので、それに近い雰囲気を味わうことが出来るからだ。

また、登場兵器にも注目したい。今作の兵器は、ほぼ架空のものだが、海兵隊が持つType 69はAR-18、スネークが初期装備で持っているWU SILENT PISTOLはスタームルガーMk.2がモチーフとなっている。登場する装甲車は、70年代にスイスのMOWAG社が開発したものやピラーニャファミリーのそれに近いデザイン。80年代が舞台となる本編『METAL GEAR SOLID V: PHANTOM PAIN』では、どのような兵器やガジェット、小物が見られるか楽しみだ。


■潜入シミュレーターという名のスポーツゲーム
by 栗本浩大

私が思うに『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』というゲームは、スポーツゲームにかなり近い。システムを熟知していなくてもクリア自体は可能で、やり込めばやり込むほどに上達できる。また、毎度違うプレイが楽しめ、攻略や戦略の幅が広いのもその理由だ。

『MGS V:GZ』の優れている点は、このリプレイ性と1プレイの短さにある。ボリューム不足が度々指摘されるが、むしろ短時間で複数の目的・プレイスタイルで挑める設計が競技性を生み出している。

そして、この競技性を高めているのが『MGS』という世界観とオープンワールドのマップだ。敵地に潜入しているという設定、見つかっていけないというスリル、ランダムで変わる敵の配置。この全ての要素が競技性に結びついているため、単純なリニア思考ではなく、柔軟な対応力が問われるのが良い。これらは、ロジェ・カイヨワが提示した遊びの4要素に当てはめると分かりやすいだろう。

とはいえ、ストーリー部分におけるボリューム不足は否めない。『MGS』のゲームプレイではなく、物語に魅了されたプレイヤーにとっては物足りないかもしれない。だが『MGS V: GZ』のマップには、モアイ像やバッジ、カセットテープなど様々モノが隠されており、敵兵士の会話など、ただプレイしただけでは知りえない物語が散りばめられている。

それらを堪能するだけでも、本作は非常に魅力的な作品だと言えるだろう。


    METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES
    対応機種: PS4/PS3/Xbox 360/Xbox One
    発売日: 2014年3月20日
    本体価格(税抜):
    PS4/PS3パッケージ版: 2,839円/ダウンロード版:2,362円
    Xbox360パッケージ版: 2,839円/ダウンロード版:2,477円
    CERO: D
    ジャンル: タクティカル エスピオナージ オペレーション
    ※ Xbox One版は発売日/価格未定
    ※ Xbox 360版について
    - Xbox 360版は、ハードディスクに1.7GBの容量が必要です
    - Xbox 360 4GB、Xbox アーケードのハードディスクは別売りです
    - USB 接続された外付けハードディスクでは動作しません。

※文中の誤字を訂正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。
《Game*Spark》
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