E3 2013: 『EVE ONLINE』のパブリッシャーが早くもOculus Rift向けのデモを展示。その脅威のゲーム体験とは? | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

E3 2013: 『EVE ONLINE』のパブリッシャーが早くもOculus Rift向けのデモを展示。その脅威のゲーム体験とは?

今年のGDCで一躍注目を集めたゲーム専用ヘッドマウントディスプレイ、Oculus Rift。開発者キットの出荷も順調で、国内でも対応ゲームの開発実験に着手している企業や研究室も少なくありませんが、SF-MMORPG『EVE ONLINE』を擁するアイスランドの企業CCP Gamesが、このた

PC Windows
今年のGDCで一躍注目を集めたゲーム専用ヘッドマウントディスプレイ、オクルス・リフト(Oculus Rift)。開発者キットの出荷も順調で、国内でも対応ゲームの開発実験に着手している企業や研究室も少なくありません。

しかし現行のオクルス・リフトはあくまで開発バージョンとあって、対応ソフトの販売はまだまだ先の話。とりあえず今年は情報なしと思っていたら、いくつかの企業で内々にデモをしているという噂が飛び込んできました。

SF-MMORPG『EVE ONLINE』を擁するアイスランドの企業、CCP Gamesもその一つ。同社は『EVE ONLINE』の世界観で遊べるFPS『DUST 514』をリリースしていますが、このたび実験作として『EVR』を開発し、ミーティングエリア内の自社ブースでクロースドなデモを行っていました。ブースには噂を聞きつけたメディアや業界人がひっきりなしに訪れ、高い注目を集めていました。

『EVR』は宇宙戦闘機を操って戦うオンラインスペースシューティングです。操作はシンプルで、アナログスティックで上下左右に移動、右トリガーでレーザー、左トリガーでミサイルのロックオンと発射です。左トリガーを引きっぱなしにすると、目の前の目標物に対してロックオンを開始し、終了したところでトリガーを離すと6発のミサイルが発射されます(相手の回避行動で外れることもあります)。

このほかAボタンを押すとアフターバーナーが5秒間噴射され、ミサイルからの回避などに有効です。不幸にして撃墜されたら再び基地から再出撃。デモは3分間行われ、一度に6人が2チームに分かれて3VS3の戦闘を体験。より多く撃墜したチームが勝利するという内容でした。

ひととおりガイダンスが終わったらさっそくプレー開始。オクルス・リフト(眼鏡をかけたままでも大丈夫でした)とサラウンドヘッドフォンを装着し、コントローラを持って開始を待ちます(オクルス・リフトを装着すると外界の視界が完全に遮られるため、コントローラをうっかり落としてしまい、大変でしたが)。デモが始まるとそこは文字通り宇宙船のコクピット。目の前には宇宙戦闘機のコクピットが浮かび、下を見ると左右に計器類が浮かんで見えます。ぐるっと周囲を見わたすと、外は満天の星空。ただただ感激です。

そうこうするうちに敵機が近づいてきたので、慎重にロックオンをしてミサイルを発射。すると自分の周囲からミサイルがダダダッと音を立て、閃光をなびかせながら敵機に向かって飛び去っていきました。機体を左右に旋回して敵のミサイルをかわしながら、ひょいと左右を見わたすと、ミサイルの軌跡が実際に見えたことにも感激です。まさに板野サーカスの中でシューティングゲームを楽しんでいるかのようでした。今までとは次元の違う
ゲーム体験に没頭。3分間があっという間にすぎさってしまいました。

オクルス・リフトは1280×720pの液晶ディスプレイを左右に分割して、右目と左目の映像をレンダリングしているため、映像から普通にドットを視認できます。また、いざゲームが始まると、計器パネルをいちいち見ている暇がなかったのも事実(とはいえ、内容はダミーっぽいものでしたが)。しかし、そうした些細な点を帳消しにして余りあるくらい、このゲーム体験は強烈なものでした。すでに多く語られていますが、今までのテレビで遊ぶゲームとは異質すぎる体験に脱帽です。

実は筆者は以前、インディゲームデベロッパーが制作したオクルス・リフト向けのスニーキングアクションゲームを体験したことがありますが、その時は3D酔いがひどく、1分遊んだら我慢できないほどでした。しかし本作では3D酔いをほとんど感じなかったことも特筆しておきます。終了後にスタッフと軽く雑談したところ「コクピットタイプのゲームだと酔いにくいんだ。逆にFPSなどでは酔う可能性が高いね」と言っていましたが、何か秘密があるのかもしれません。

また「オクルス・リフト向けのゲームはUIなどを専用で考える必要があり、これはこれで、けっこう大変なんだ」と語っていました。しかし、研究開発をする価値は大いにあると改めて感じ入りました。オクルス・リフトも製品版ではフルHD解像度に対応する見込みとも言われていますので、より没入感が増しそうです。

ちなみにCCP Gamesとは全く関係ありませんが、E3会場でゲーム周辺器機などを販売するHYPERKIN社が、早くもオクルス・リフト対応のヘルメット『COMRAD』を展示していました。マイク付きワイヤレスヘッドフォンを内蔵しており、これを装着してオクルス・リフト対応ゲームをプレーすると、さらに没入感間違いなしという代物です。

実際、オクルス・リフトは3D立体視に対応しているため、3Dサラウンドヘッドフォンとの相性は完璧でしょう。近い将来、PS4やXbox Oneにテレビではなく、オクルス・リフトを接続してプレーする時代が来るかもしれない(Xbox Oneではキネクトとの関係が問題になりますが)、そんな予感を感じさせるのに十分なデモでした。















【関連記事】
Oculus RiftやPhysXなど、“Unreal Engine 4”の統合パートナープログラムが発表
Oculus Riftの共同設立者Andrew Reisse氏が死去、警察の犯人追跡中の事故に巻き込まれる
Oculus Rift対応のダイビングシミュレーター『World of Diving』がIndiegogoで出資者募集中、目標額7万5000ドル
Valve、『TF2』に続いて『Half-Life 2』をVRヘッドセット“Oculus Rift”に公式対応
上田文人氏が話題のOculus Riftを入手「想像してたよりだいぶ凄かった」
『Euro Truck Simulator 2』がVRヘッドセット“Oculus Rift”への公式対応を検討中
VRヘッドセットOculus Riftに対応したギロチンシミュレーターが登場
《インサイド》
【注目の記事】[PR]
コメント欄を非表示
※一度コメントを投稿した後は約120秒間投稿することができません
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください

    特集

    PC アクセスランキング

    1. すでにGOTY候補との呼び声高い『Clair Obscur: Expedition 33』Steamも“非常に好評”スタート。同時接続人数ぐんぐん上昇中

      すでにGOTY候補との呼び声高い『Clair Obscur: Expedition 33』Steamも“非常に好評”スタート。同時接続人数ぐんぐん上昇中

    2. 海外大手Modサイト、『オブリビオン』リマスターのキャラクタ性別選択肢復活Modを削除、アカウント停止措置まで。「タイプ1・2」を「男性・女性」に戻す投稿の「意図」問題視

      海外大手Modサイト、『オブリビオン』リマスターのキャラクタ性別選択肢復活Modを削除、アカウント停止措置まで。「タイプ1・2」を「男性・女性」に戻す投稿の「意図」問題視

    3. 『ディビジョン2』5年ぶりの新DLC「バトル フォー ブルックリン」5月27日にリリース!ヤツらは川を越えてやってくる…

      『ディビジョン2』5年ぶりの新DLC「バトル フォー ブルックリン」5月27日にリリース!ヤツらは川を越えてやってくる…

    4. 女の子を改造して戦場へ…SNSで話題のかわいそうはかわいい系SLG『がんばれ相棒』Steam/スイッチ販売を目指す!パブリッシャー募集中

    5. SFC向け『くにおくん』シリーズなど80~90年代のテクノス作品を詰め込んだ『テクノス ザ・ワールド くにおくん & アーケードコレクション』発売!

    6. 『オブリビオン リマスター』ベンチマーク動画公開―RTX 3060でウルトラはやや厳しめ?しかし設定次第で多様なPC構成に対応

    7. 『勝利の女神:NIKKE』待望の“新ニケ”に刺激的な“新コス”、『Stellar Blade』コラボは2025年6月に【生放送まとめ】

    8. 「アンウェルカムスクール」含む『ブルアカ』BGMを15曲追加!『DJMAX RESPECT V』コラボDLC「Blue Archive PACK」Steamで発売

    9. 人間に化けた妖怪は誰だ?人狼風推理ADV『おやおや?大家さん!』Steam正式リリース

    10. 宇宙ステーション運営シム『Outworld Station』Steamにて早期アクセス開始―司令官として運営・発展から防衛まで一手に担う

    アクセスランキングをもっと見る

    page top