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MMOファンとTESファン両方が楽しめる作品にしたい−『The Elder Scrolls Online』ディレクターインタビュー

ベセスダ・ソフトワークスのプライベートイベント“BFG”で、プレイアブルデモを体験することができた『 The Elder Scrolls Online 』(TES Online)。タイトルコンセプトや開発状況について、かつて一世を風靡したファンタジーMMORPG『Dark Age of Camelo』の開発にた

PC Windows
ゼニマックス・オンライン・スタジオのディレクター、Matt Firor氏

ベセスダ・ソフトワークスのプライベートイベント“BFG”で、プレイアブルデモを体験することができたPC/Mac向けのMMORPG『The Elder Scrolls Online』(TES Online)。タイトルコンセプトや開発状況について、かつて一世を風靡したファンタジーMMORPG『Dark Age of Camelo』の開発にたずさわり、本作でもディレクターをつとめるMatt Firor氏にグループインタビューを行いました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

―――思った以上にTESと同じような感覚でプレイでき、驚きました。

TESのプレイ体験をそのままMMORPGにすることがコンセプトでした。『スカイリム』などは本当に多くのユーザーに遊ばれていますからね。MMORPGでは画面中がUIだらけになり、ごちゃごちゃしがちですが、必要最小限に留めました。TESファン、MMORPGファン、どちらのユーザーが入ってきても、違和感なく遊べるように心がけました。

―――ゲームエンジンは何を使っていますか? 『スカイリム』よりもライティングが綺麗な印象を受けました。

インハウスのオリジナルエンジンを使っています。プレイデモでは自然が豊かな地方が舞台でしたが、本作で『スカイリム』のエリアに行くと、似たような雰囲気になりますよ。

―――三人称視点に加えて、一人称視点も選べますね。ただプレイデモでは画面に両手が表示されず、相手との距離がわかりにくかったです。

一人称視点は後から追加されたため、今まさに、修正している最中です。すでにサーバには新しいビルドが上がっていますが、まだ今回のデモ版には間に合いませんでした。夏頃には実装できると思います。

―――パッケージ版と比べて、MMORPGということでボリュームが大きくなっていると思いますが、ゲームの目的は何ですか?

『スカイリム』などと同じく、ゲームは「自分が何者なのかわからない」状態でスタートします。その後ゲームを続けながら、クエストなどを通して世界の謎に触れ、次第に自分が世界を救う英雄になることがわかるようになっていきます。MMORPGなので、いろいろな楽しみ方がありますが、こういった点はパッケージ版と変わりません。

―――MMORPGファンというよりもTESのファン向けですか?

良い質問ですね。本作はMMORPGファンにもTESファンにも訴求する必要があります。 そのバランスは開発中、ずっと話をしていました。TESファンでMMORPGの未経験者は、チャットなどのソーシャル要素に驚くかもしれません。実は皆さんのプレイを自分も見ていたのですが、TESの経験者か、MMORPGの経験者か、UIの操作方法などで、すぐにわかりました。でも、できるだけ多くの人に短時間でなじんでもらえるように努力しています。

―――ゲームのメインコンテンツは何ですか?

TESの世界観で自由に冒険が楽しめることです。ゲームの基本的な要素として、3勢力によるRvRが存在します。非常に重要な要素ですが、別にRvRを体験してもらわなくてもかまいません。クエストのほかに、グループで探索するダンジョンもあります。まだ詳細は確定していませんが、ランダム生成ではなく、世界には自分のレベルにあわせたダンジョンが存在します。

―――RvRのエリアについて教えてください。

大陸の中央にNPCだけが住むコールドハーバーというRvR専用エリアがあり、そこまで行って戦うことになります。そこに到達するまでに、相当キャラクターを成長させる必要があります。逆に自分の領域にいる間は他のキャラクターに襲われることはありませんし、他の領域に入ることもできません。コールドハーバーにも約15の城があり、たくさんの町や村があります。勢力同士で城の取り合いなども楽しめます。

―――三勢力が存在するということは、1人で3つのキャラクターを作って、それぞれの世界でプレイしても良いのですか?

良い質問ですね。初期レベルキャップは50で、レベル50に到達したら一つの勢力でストーリーが終了します。その後、同じキャラクターで、別の勢力に転生してプレイできるようになります。その勢力でのストーリーが楽しめるというわけですね。その時は周りのプレイヤーキャラクターはレベル50到達者しかいませんし、NPC、モンスターもレベル50対応になっていて、さらに手強くなります。そこもレベル50に達したら、さらに3つめの勢力に転生できる仕組みです。それぞれの勢力で150時間くらい楽しめるボリュームになっています。

―――現在はクロースドβ中ですが、アジア地域のユーザーがプレイできるのはいつくらいですか?

良い質問ですね。今は基本的なシステムやクエストをチェックしている段階で、RvRの段階まで行っていません。レイテンシーやラグの問題を挟みたくないのです。もっとも、今後はそうした問題などもチェックしなくてはいけません。1-2ヶ月後くらいには、データセンターにサーバプログラムがきちんとアップされると思います。

―――他のインタビューで、世界がサーバに分割されているのではなく、統一の1サーバで管理されるとありましたが?

実際には1サーバという表現は正確ではなく、メガサーバと呼んでいます。プレイステーションネットワークが目標ですね。プレイステーションネットワークでは、同じアカウントで世界中のフレンドとゲームをプレイできますよ。同じようなイメージで、一つの入り口からログインすると、自動的によく遊ぶ友達がいるサーバでプレイ可能です。一つのエリアに人数が増えたら、サーバが自動的に分割されます。

―――ギルドなどの要素について教えてください。

ギルドは1プレイヤーで同時に5つまで加入できます。メガサーバの利点として、サーバ上でフレンド情報を管理しているので、同じアカウントで違うキャラクターを作っても、すぐにフレンドとつながれます。

―――あるクエスト中で船荷を壊すと暗殺者ではなく、密航者とおぼしきアルゴニアンが登場してきて、にやりとさせられました。TESとTES Onlineで世界観の踏襲はどのように行われていますか?

はい、それぞれ別々の会社で開発されていますが、世界観を踏襲するためにオリジナル版と整合性をとる、3人からなる専門のチームがあり、「ローマスター」と呼ばれています。中央にデータベースがあり、情報を共有しているのです。

―――そもそも論として、TES Onlineの開発がスタートしたきっかけは何ですか? 別々のスタジオなら、別々のIPでゲームを作ってもいいわけですよね。

ゼニマックス・オンライン・スタジオが立ち上がったのが2007年で、実際に開発が本格化したのは2009年くらいです。TESは巨大なオープンワールドとファンタジー世界観、深いストーリーを持つ、完璧な「一人用MMORPG」といわれていました。そのため、MMORPGにするには最適なIPだったのです。

―――PCとMacでリリースされる予定とのことですが、それ以外にタブレットやスマートフォン、さらにはコンソールなどでの展開も考えられていますか?

実際にリリースするかは別の話ですが、スペック的にはUltrabook PCやSurface、また一部のタブレットでも大丈夫です。もっとも、グラフィックの品質を落とす必要はありますけどね。Surface RTには非対応です。

―――サービススケジュールとビジネスモデルは決まっていますか?

正式サービスインはβテスト次第ですね。ビジネスモデルは今まさに議論している最中です。

―――アップデートの予定は立っていますか?

細かいアップデートもさることながら、毎月何かしらコンテンツをアップデートしていきたいと考えています。

―――ありがとうございました。

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