ベセスダ・ソフトワークスと同じゼニマックス・メディアグループ傘下のデベロッパーArkane Studiosが放つ期待の新作ステルスFPS『Dishonored』。E3 2012でも数多くの賞を受賞するなどコアゲーマーを中心に高い関心が集まる本作ですが、国内パブリッシングを担当するゼニマックス・アジアにて一足先に 日本語版を体験する事が出来たのでそのハンズオンプレビュー情報をお届けします。
『Dishonored』の舞台は中世ヨーロッパ風の街並みが広がる工業都市ダンウォール。街はネズミから広がったとされる伝染病に侵され、人々 は鯨から取れる油を主なエネルギーとした生活を営み、富裕層はその鯨油を動力にした光の壁で病原菌の侵入を防いでいます。本作のビジュアルやアートワークはValveの名作タイトル『Half-Life 2』の“City 17”をデザインしたベテランViktor Antonov氏が担当し、作品全体に漂う独特の世界観を表現する為にコロンビア大学を始めとする著名大学の教授が一度手書きで書き起こしたアートワークをゲームに使用するなど世界観の構築にも非常に力が入れられ、従来のアクションゲームと一線を画する雰囲気が実現しています。
女王の死と奇妙な疫病に侵されたダンウォールの街。
プレイヤーは女王殺しの犯人として無実の罪を着せられた仮面のアサシン(暗殺者)“コルヴォ”となり様々なミッションを通して事件の真相を究明する事が目的となります。ゲームは無実の罪で収監された牢獄の脱出からスタートし、牢獄ではチュートリアルを兼ねた簡単なステージを攻略していきステルスや暗殺といったゲームの基本部分を学びます。道中には装備の強化や購入に使用するコインや回復をアイテムを始めとする様々なアイテムが用意され、パズルを解いて開く事が出来る金庫も存在。チュートリアルではすぐ傍に金庫を開くための番号が書かれていましたが、メインミッションでは キャラクターを電気椅子で拷問して聞き出すなど様々な解法が用意されているようです。
『Dishonored』はステルス系ジャンルでは珍しい完全一人称視点となり、常に背後や横からの敵の接近に気を使わないといけないのでゲーム中の緊張感はかなりのもの。ステルス中には敵からの発見率も大幅に減少し、覗き込みといった専用アクションも用意されているので、きちんと隠密行動さえ取れば理不尽に発見される事は無く視点によるステルスの不便性を感じる事はありませんでした。
幻想的な風景が広がる虚無の世界。
チュートリアル終了後には虚無の世界と呼ばれる異空間でコルヴォが神とも悪魔とも知れぬ謎の存在アウトサイダーと出会い超常能力を習得。超常能力はステージに一定数隠されたルーンを消費する事によって新たな能力の取得や強化が出来、キャラクター自身の能力上昇にも使用可能。尚、人間の心臓を模したアイテム “The Heart”を使用する事によってステージ上のルーンの大まかな位置が表示されるのでマップをひたすら探し回るような手間はありません。
その他ボーン・チャームと呼ばれる潜在能力を高めるアイテムが50種用意され、1周で20個程ランダムに登場し全て集めるには2、3周のプレイが必要になるとの事。序盤、ボーン
チャームは3個までセット出来、敵からの攻撃を抑えたり超常能力の持続時間を伸ばしたりと様々な効果が適用。これらのキャラクターカスタマイズ要素を組み合わせ、更に武器やガジェットを活用して自分だけのプレイスタイルを構築していく事がゲームの肝といえるでしょう。
厳重な警備で守られたパーティ会場も工夫次第で様々な方法の侵入が可能。
チュートリアル終了後は仮面舞踏会を舞台としたメインミッションをプレイ。会場となる館への侵入からスタートし、瞬間移動能力ブリンクで 屋根や敵の背後に回りこんで侵入しましたが、一定時間敵に憑依出来るポゼッションでネズミや魚に乗り移ったり時を止めるベンドタイムを使用しその隙に侵入するなど攻略の仕方はプレイヤー次第。各ステージのマップはかなり広く、暗殺のターゲットも常に移動するので絶対に通用するようなパターンが存在せずプレイの度に戦略を考えていかなくてはならないのも特徴。
大量のネズミを召喚して敵を襲わせる超常能力も存在。