ゲームの映画化作品としてはかつてない興行収入を叩き出した『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』。本作でメガホンを取った英国出身のMike Newell(マイク・ニューウェル)監督が、海外メディアのインタビューでゲームファンには気になる発言をしているようです。
過去に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』やアル・パチーノの『フェイク』などを手がけた同監督は、ゲーム版Prince of Persiaではあっという間に死んでしまうほどビデオゲームのプレイが苦手だそうですが、『プリンス・オブ・ペルシャ』の制作に当たって、これまでゲームの映画化でまともな作品が存在しないと心配するゲーマーを満足させなければならなかったと告白。
どうしたら他のゲーム原作映画と差別化できるのか?ニューウェル監督は、その答えが「ゲームを映画」にするのではなく、ゲームの要素や側面を持つ「映画」を作ることだったと説明しました。
ハリウッドにおいてもビデオゲームは全てを変えてしまったと同氏。14歳になる息子が、毎晩オンラインの戦争ゲームで遠い国の他人とゲームで殺し合う様子を見て、そこには受け入れられるべき道徳観や本来あるべき人間の多様な感情が欠落していると感じたことから、映画『プリンス・オブ・ペルシャ』では可能な限り洗練されたキャラクター同士の人間関係を描こうとしたのだとか。
そうした配慮もあり、完成した映画はジェリー・ブラッカイマー作品にふさわしい誰もが楽しめる娯楽大作映画に仕上がったと自負する一方で、話題が原作ゲームに向けられるのは極めて退屈なことだとも打ち明けています。
また別の質問では、今後ビデオゲームがハリウッドの映画業界にとって脅威になりうると認めたものの、ゲームでは映画のような本物のドラマを描くことができないとの考えを述べています。
氏は『24』や『The Wire』といった人気テレビシリーズを例に挙げ、ゲームではこうした作品で描かれる本物の人間ドラマや驚きを表現することができないと指摘。ゲームで可能なのはしかめっ面のキャラクターや「私は悪党です、凶悪な武器を持ってます」的なものだけで、それ以上のことはできないだろうと語りました。
しかし映画の『プリンス・オブ・ペルシャ』は決してゲーマーを侮辱する意図があるわけではなく、あくまでそれはゲームではないから、ゲームにはなりえないからだと補足しています。
監督はインタビューの最後で、ゲームの開発に関わりたいと考えたことはあるかという質問に対し、「ゲーマーからそういった要望を聞いたことはあるが、映画制作者としては観客に何かを感じさせるのが仕事であり、彼らが何も感じなければ何の経験にもならない、3000人のブラジル人をぶっ殺している無気力な息子の目を見ても全くもって何も意味していないのが分かる」とする趣旨の回答をしています。
余談ですが、映画『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』は海外批評家から少々厳しい評価を受けているようです。
(ソース: CVG: 'Video games chat bores the arse off me', VG247)
※UPDATE (2010/7/31 15:00): 記事初出時、マイク・ニューウェル監督の発言内容を部分的にしか取り上げておらず、翻訳部分においても一部本人の意図と異なる書き方があったため、インタビュー原文の内容に沿って記事の内容を修正・加筆しました。83さん、コメント欄での詳しいご指摘をありがとうございます。
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