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任天堂 宮本茂氏が本音の本音でゲームデザインを語る。海外誌インタビュー
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キリトル
2007年05月09日 17:00:00 / by riot_兄



先週、海外のゲームメディアでは、米タイム誌の“最も影響力のある100人の人物”に選出されたことで大変な話題を集めた任天堂の宮本茂氏。彼がEntertainment Weeklyというアメリカのエンターテイメント雑誌のインタビューに応じ、様々な興味深いコメントを残しているようです。インタビューの質問内容も、(アメリカでは毎度のことながら)突っ込んだキワどいものばかりで少々刺激的。Wiiオーナーの方だけでなく、ゲーム業界に興味のある方はぜひぜひチェックしておきましょう。


* * *


Entertainment Weekly: あなたがゲームについてたくさんのことをご存知なのは明白です。では、他のエンターテイメントについてはどうでしょう、映画はどうですか?

宮本茂: 『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』を見たくらいです。どちらもベリーグッドで、考えさせられる作品でした。二つの作品を同時に二つのスクリーンで観て、それぞれの作品の同じ場面で何が起こっていたのかを知りたかったです!

Entertainment Weekly: それらの作品は、戦争や犠牲、正義感の概念といったシリアスなテーマを扱っています。反対にあなたの作品は、陽気で明るいものですが、あなたはこれまでに、現実世界での深く社会的なメッセージを持ったゲームのデザインに挑戦しようと考えたことはありますか?

宮本茂: 仮にこれまでの私の人生がそうした事柄に影響されて問題を持っていたとしたら、私はそれについて考えていたでしょう。そうした要素を持ったゲームを作るのは興味深いものです。前回のGDCで、私は核戦争を題材にしたDEFCONというゲームを見ました。世界のすべては破壊されている ? それはゲームに取り入れるのはとてもパワフルなメッセージです。

Entertainment Weekly: では、現実の世界に起こっていることで、あなたがゲームに取り入れてみようと検討したことがあるのは何でしょうか?

宮本茂: ちょっとアイデアはあります。日本では、お年寄りや妊娠した女性のための優先席がある電車がたくさんあるのですが、若い人達は時折、そうした優先席に座ることがあります。でも、もし本当に優先席を必要な人がいたら、あなたは席を彼らに譲るのが当然です。しかし、ほとんどの若者は席を譲りません!それが私は本当に腹立たしいです。もし私が何らかの方法で、そのような若者がお年寄りに敬意を払うようなゲームを作ることができたら・・・。

それから、私を苛立たせる別の問題もまだあります。日本では、不正な方法で全く税金を払っていない人たちがたくさんいます。税金を国に収めて社会全体を助けることを人々が理解している国がある一方で、日本ではそれが理解されていません。したがって「社会的な責任感」も、私がゲームで扱うべき問題の一つです。しかしそういった事を持ち上げるのは、きっと古い人間だと思われるかもしれません。


スタンディングオベーションで幕を閉じたGDC 2007キーノートの様子


Entertainment Weekly: あなたは自分のことを年寄りだと感じますか?

宮本茂: ふむ、私は年を重ねていますし(宮本氏は54歳)、自分の体重をかなり気にするようになりました(お腹をもみもみする仕草)。これは私の個人的な趣味ですが、週に二回は水泳をします。周りからは、Wiiをプレイすべきだと言われるのですが、でもそれをやるといつだって私は仕事している気分になってしまうんです。

Entertainment Weekly: あなたは日本での社会的な問題を挙げました。しかし、ゲームはグローバルなビジネスですよね、アメリカの若者達は、目の前にある(日本とは違った)また別の問題を抱えています。任天堂を批判する一つの事柄として、我々がこのことを取り上げる理由は、つまり、任天堂のゲームは日本を中心にしたものになっている為です。例えばアメリカのゲーマーは、メトロイドよりもヘイローを好んで購入しています。あなたはこれまでに、アメリカの若いユーザーがどんなゲームをプレイしたいか、その接点を見失っていると感じたことはあるでしょうか?

宮本茂: 私はヘイロー(のようなゲーム)を作ることもできます。それは私がデザインすることができないゲームというわけではなく、単純に、私がその選択肢を選ばなかったというだけです。私のゲームデザインについて一つ言えることは、ユーザーが望んでいるものを見つけて、それに合わせたゲームをデザインしようとしたことはこれまで一度もありません。私は常に、楽しく遊べる新しい体験をクリエイトすることを心がけています。


ギャラクシーは年内に出るんですか!?


Entertainment Weekly: いくつかのアメリカのゲーム会社は、そのようには考えていません。彼らはほとんどの場合リスクを嫌がって、新しいアイデアを探索するよりもむしろ、続編やシリーズの拡張作品を制作しています。業界には、たくさんのマーケットリサーチやフォーカス・グループ法が存在しています。それらはゲームビジネスに打撃を与えますか?

宮本茂: 制作費の高騰によって、もしこのような方法でゲームをデザインしないとしたら、ゲーム会社が大きな不安を抱えることを私は理解しています。でも、自分が作りたい作品を作るべきです!心からみんなが私と同じ方法でゲームを開発するようになることを望みます。私はゲームを誰かにプレイしてもらうとき、意見を聞いたり、アンケートを取ったりしません。ただ、ゲームをプレイする彼らの目や表情を観察するだけです。彼らは笑っていますか?あるいは苛立っていますか?これは全くもって科学的な方法ではありませんが、そのように私は自分のゲームをテストするのです。

Entertainment Weekly: あなたはユーザーが何に楽しみを見出すのかを予測する能力において素晴らしい成功を収めました。では、これまでにあなたが面白いと考えたのに、良い結果を得られなかった作品はありますか?

宮本茂: あります。まったくその通りのことが起こりました。過去に私達は、社外の開発会社と共同でF-Zeroやスターフォックスなどのタイトルを手掛けました。はっきり言わせてもらうと、それらの作品の結果に私達は失望しました。コンシューマーはそうした作品のアイデアにとてもエキサイトしていましたが、ゲームの作品そのものは成功しませんでした。さらに、そうですね・・・ 率直に言って、結局Wiiのゼルダは、日本国内で全くもってうまくいきませんでした。本当に期待はずれなのですが、ここアメリカではまずまずのようです。


ゼルダの売れ行きにはちょっとがっかり?


Entertainment Weekly: なぜゼルダが日本で成功しなかったと思いますか?

宮本茂: Wiiを購入した多くの人々は、ゼルダのようなソフトに興味を示すタイプの人々ではなかったと思います。そして、ゼルダをプレイしたいと思っている別の多くの人も(本体の品薄が原因で)Wiiを手に入れることができません。ともかく、ゼルダのようなロールプレイングに興味を持つユーザーは本当にごくわずかなのだと考えています。

Entertainment Weekly: 息子さんが今年の夏に大学を卒業するそうですね。彼はあなたのゲームデザインの足跡を辿るような何らかの興味を示していますか?

宮本茂: 彼はイベントの企画をやってみたいと望んでいます。それはつまり、チームのメンバーをコーディネイトして、一つの目標に向かっていくという、いくぶんか私のやっていることと似ているので、とてもうれしくなります。でも、答えはNoです。彼はゲームに関する仕事に興味を示しませんでした。ただ、彼は結構クリエイティブです。例えばある一日は、彼が自分の大学のクラブのために、スキーのプロモーション用ビデオを編集しようとしていました。そこで週末に彼と二人で街をドライブして、たくさんのスキーの広告映像をキャプチャーし、家に帰ってその映像を一緒に編集したんです。それはとてもクリエイティブで楽しいプロジェクトでした。

* * *


(ソース: EW.com:The Man Who Made ''Mario'' Super, イメージ: Flickr)

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