勇者がイケメン限定だなんて誰が決めたのでしょうか。いま、この瞬間にも人類が危機に瀕している……そんなときに、つまらない言い争いをしている余裕はありません。世界を救う力と勇気があれば、誰だっていい。そう、たとえ人間じゃなくてもです。
というわけで今回は、2024年1月10日に配信されたダンジョンRPG『Buriedbornes2』の気になる内容を紹介します。
ちなみに、前作『Buriedbornes』のプレイレポートも掲載されているので、続編である本作との比較、ローグライクの基本を軽くおさらいする意味でも併せてご覧ください。
『Buriedbornes2』とは!?
本作は、Nussygameが開発した基本無料のダンジョンRPG。前作『Buriedbornes』と世界観は共通していますが、ゲームシステムに様々な拡張や改良が加えられ、さらなるやり込みと奥深さを持つローグライク作品に仕上がっています。
また、本作は日本語をはじめとした複数言語、フルコントローラーサポートにも対応。スマホ版もリリースされており、iOS/Androidでも無料でプレイ可能です。
本作の気になる人をワンポイント解説!
◆イモムシくん
不甲斐ない人類に代わって覇王打倒に立ち上がった伝説の漢。魔物がうろつくダンジョンを彷徨う女性に優しく語りかける紳士でもあり、戦闘能力も割と高いです。
◆ダークメイジさん
序盤、イモムシくんの召喚によって臨場した人物。ダメージ2ケタの応酬で死闘を演じるイモムシくんをあざ笑うかのように、3~4ケタのダメージを連打して敵を粉砕します。
◆謎の人物
屍術研究所で前衛的な実験に励む傍ら、チュートリアルでプレイヤーを導く紳士。見た目は怖いものの、マメな性格で何かと世話を焼いてくれます。
全国の“ぼうけんしゃ”待望の続編!新要素を探して潜る
ある日、突如として出現した覇王の軍勢……すなわち“死せる者ども(Buriedbornes)”によって諸国が次々と滅ぼされ、人類は恐怖と絶望に包まれていました。やがて、追い詰められた人類も死んだ英雄たちを蘇らせ、覇王に抗うというストーリー展開は前作と同じです。
ただ、本作はキャラクターの立ち絵のほか、作品全体のダークファンタジー感を醸し出す印象的なイラストが追加されています。スマホ版がベースと思われる縦長のゲーム画面、その左右余白にも背景画像が設定されているので、前作のプレイ中に割と気になっていた部分がきちんと修正されているのにも確かな進化を感じました。
オープニングの後は、謎の人物が主導するチュートリアルが開始。プレイヤーの分身となる最初の“屍体”も用意されており、プレイ中はシステムの解説が強調表示の矢印付きでついてくるのもあって、前作より手厚い案内になっている気がします。
UIなどの画面表示もかなり拡張されていてアイテムやスキルだけでなく、キャラクターのステータス、バフ・デバフのステートも含めて固有のアイコン画像が大量に追加。それぞれの効果の詳しい説明もアイコン、または名称をクリックすると表示されるので、なにかと情報量が多い本作でも分かりやすさを両立した簡単操作で楽しめるはずです。
戦闘面でも大幅な変更点があり、HPが0になってもスタック分を消費して全回復、戦闘を継続するシステムを採用。スキルにも残り回数が設定され、それらを使い切る前に新しいスキルと交換するか、階層最後のキャンプまで辿り着かなければなりません。
思わぬ強敵との遭遇、ダンジョン自体から付与される弱体化など、未知のハプニングも考慮した計画的な冒険プランが必要になります。
さらに、ターンが経過すると“ブレイブ”と呼ばれる値が増加し、満タンになると装備しているスキルがバーストスキルに変化。より強力、かつ効果も異なるバーストスキルを使うタイミングも重要になり、中にはオルトモードという第3、第4の効果を持つスキルもあります。
実質10以上のスキルを組み合わせる戦略性は、続編たる本作ならではの正統進化した部分といえるでしょう。
最新のRPGのようなスキルツリーによる成長システムも完備しており、キャラクターの能力値の底上げも可能。ただ、ダンジョン内で苦労して集めたスキル、装備と同じくキャラクターが死ぬと全て失われてしまいます。
本作でのダンジョンはゴールとなる目標フロアが設定され、生還するという概念が備わったことで割と気軽に潜れます。ある程度、プレイヤー側で難易度調整ができるので、逆にキャラクターを長く生存させる力量が試されるのかもしれません。
また、本作ではワールドマップによって世界が広く表現され、進行に従って新しいダンジョンや施設が解放されていきます。まだ生き延びている人々の組織「ユニオン」に参加することで新しい種族や職業といった報酬をアンロックでき、ただダンジョンに潜るだけではない多角的なやり込み要素が基本無料とは思えないボリュームです。
イヌ、悪魔、イモムシ…誰でもいいから世界を救って!
前作のプレイレポでは、とにかくエルフが強いと書いたような気がしますが、それは彼女の実力以上に筆者がエルフ好きだったからです。本作は、あくまで"ダークファンタジー調の本格ローグライク"が第一の特徴ですが、それでも剣と魔法の世界における魅力はやっぱり異種族なんですよね。
そこんとこ、本作では「種族」が独立したパラメータに昇格し、職業の他にも生まれやスキンを個別に選べるようになっています。これによって、種族スキルと職業スキルを組み合わせたりと、ダンジョンでの運に頼ることなく初期プレイスタイルの確立が可能です。
明らかに人間ではない種族も多いですが、本作での認識は“死体のパーツを継ぎ接ぎして強いヤツ作ろう”という道徳心をかなぐり捨てた感じなので、人間だろうが魔物だろうが誰でもいいと思う人類の絶望感を遠回しに表しているのかもしれません。
そういうわけで、今回の勇者に選ばれたのがイモムシくん(僧侶)です。比較がないので立ち絵だとサイズが分かりにくいですが、人間と同じぐらい大きいと考えれば、筋力重視のステータスにも納得がいきます。種族や職業には固有能力が備わっており、イモムシの場合は専用スキルでサナギになって羽化できる(常時バースト)という性能でした。
本当はもっと可愛い種族を選びたかったものの、エルフは前作で使っていたので、偶然にも獲得したイモムシでプレイ。前作では上級者向けらしかったイモムシですが、僧侶スキルと相性が良かったのか、かなり使いやすい安定したプレイングを見せます。
僧侶の分の信仰ステータスも加算された結果、魔法や回復、さらには召喚スキルにも適性があったりと終始万能。常時回復しながら殴るだけで大抵の敵は難なく撃滅できました。
ちなみに、召喚スキルや回復スキルにも強力なバースト効果があり、顔見せで敵を瞬殺するなどキャラクターのステータス次第では恐るべき性能に。召喚スキルはクールダウンが長い代わりに残り回数のかぎり何度でも使えるので、エルフ以上のチートだった気がします。
まだレア度が低いスキルをやりくりして無双の状態だったので、もっとグレードの高い召喚スキルはドラゴンあたりが飛んできて、ボスも一瞬で溶かしてしまいそうで心配です。
そうしてレベル上げとばかりに敵を蹂躙するも、戦闘ばかりしていたせいで"サベージモード"が発動。それまでとは比べ物にならないボス級が連続して出現し、一度の戦闘でスキル回数を使い果たした末、イモムシくんの大冒険は志半ばで終結してしまいました。
初めてアンロックした種族がイモムシという状況で、まだまだ本作の進化を遊びきれていないところもありますが、戦闘システムを中心に、本作は続編として目に見える進化を遂げています。基本プレイは無料ということで、本作の本格的なローグライク要素、異種族推しにピーンときた方は実際に遊んで確かめてみましょう。
スパくんのひとこと
世の中にローグライクはたくさん溢れているけれど、この作品はプレイアブル種族が充実しているのが面白いスパね!課金ポイントを貯めなくても、報酬でアンロックできるのが多いのも良心的スパ!
タイトル:Buriedbornes2 - Dungeon RPG -
メーカー:Nussygame
対応機種:PC/iOS/Android
筆者がプレイした機種:PC(Steam)
発売日:2024年1月10日
記事執筆時の著者プレイ時間:5時間