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自分の手で「理想の剣」を作ろう!奇想天外刀剣設計シム『Bladesong』に大興奮―ただし鍛造ゲームとしては端折ってる部分も…【プレイレポ】

欧米では、ナイフや刀剣の自家鍛造が盛んに行われています。

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欧米では、ナイフや刀剣の自家鍛造が盛んに行われています。

ヒストリーチャンネルの番組『刀剣の鉄人』のような「ハンドメイドの刀剣を作って競い合う企画・大会」も頻繁に開催されていて、その中には「公民館の市民向け講座で鍛造を覚えた」という人もいます。刃物は決して危険なものではなく、陶芸やガラス彫刻の制作と同じ棚の中にあるものという感覚です。

そんな刀剣鍛造をゲームで再現してしまおう、という動きがあります。それが29日にデモ版が公開された『Bladesong』です。

刀剣鍛造を体験できるゲーム

さて、筆者は自分で鋼材からナイフを制作することを趣味としています。

以前、とあるメディアで「日本刀の残欠から新しいナイフを作る」という企画を担当したことがありました。日本刀を細かく切断したものを「残欠」と言いますが、それをディスクグラインダーで削って新しく形成し、何時間もかけて砥石にかけて実用に耐え得る1本をこの世に誕生させる……という内容です。しかしこの記事は、去年の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに公開停止になってしまったようです。

筆者のナイフは、いわゆる「ストック&リムーバル」で作ったもの。鋼材を鍛造して焼き入れするのではなく、最初から焼き入れ済みの鋼材を電気工具で削り出す手法です。ラブレスさんというナイフ職人が開発したものですが、同時にこれは電気という文明の利器があってこその技術。

では昔は?といえば、多くの史料や物語などでもみられるように、鋼材を熱してハンマーで叩き、自分で焼き入れする必要がありました。

そんな刀剣鍛造を体験できるという『Bladesong』ですが、ゲーム開始早々画面にあるのは生の鋼材です。これを叩いて伸ばして……と言いたいところですが、これはゲームですからもっと簡単です。ガイド線をその場で加工すると、それに沿った形に鋼材が変化します。

鋼材を薄くしたり細くしたりポイント(切っ先)を形成したりブレードを曲げたり……という作業が自由自在で、何とフラー(ブレード表面の溝。刀剣を軽量化する効果があります)をつけることも可能。おお、すごい!

タングと鋼材は1種類のみ

ヒルト(鍔)やハンドル、ポメル(柄尻)の部品は予め用意されている既製品から選んで取り付けるという仕組みです。このあたりは、正式配信に向けて数が増えていくと思われます。

ただ、「簡単に自分だけの刀剣を鍛造できる」というコンセプト故に焼き入れや研磨という概念がないらしく……。それと、タング(茎の部分)の形が今のところナロータングしか選択肢がないというのも物足りないところではあります。

いきなりでてきた専門用語、ナロータングって何?という質問に答えるならば「和包丁の茎」と書けばお分かりいただけると思います。細長い形状で、ハンドルに縦穴を空けてそこに差し込む仕組みです。西洋刀剣の場合はナロータングが主流ですが、一方で日本刀は目釘で柄と茎を接続するコンシールドタングに近い仕組み。ただ、現状の『Bladesong』ではこれができません(日本刀の鍔はあります)。

それと、鋼材の種類は1種類なんですかねぇ……。日本の刀剣やナイフは複数の鋼材をサンドイッチのように重ねる技法で世界的に知られていますが、どうもそうしたことは『Bladesong』ではできません。たとえば兵庫県三木市の企業が製造している折り畳みナイフ『肥後守』は、低炭素鋼の狭間に高炭素鋼を差し込む「割り込み技法」です。こうすることで、刃物としての鋭利さと砥ぎやすさを両立することができます。

このあたり、『Bladesong』の開発者の今後のアクションを待ちたいところです。

開発の進行に期待!

いずれにせよ、「オリジナルの刀剣を鍛造する」というコンセプトはよく表現されていると思います。

筆者としては、フラーを簡単に入れられる点が素晴らしいと感じています。鍛造でもストック&リムーバルでも、綺麗なフラーをブレードの表裏にきっちり刻むのは非常に難しい技術。しかし『Bladesong』なら、マウスを動かすだけでピッシリとしたフラーが!

これ、たとえば本物のナイフ職人が「今から作るナイフのイメージ」を描くのにも使えるのではないでしょうか?

ナイフ制作も、結局は鉛筆で描いたスケッチから始まります。モノづくりの原点、それは「想像図」です。ならば、『Bladesong』を使ってこれから作るナイフを設計してみる……というのもアリかもしれません。

開発はまだ道半ばで、公開されたデモ版に「ストーリーモード」は未実装でした。ただ、今回用意されたクリエイティブモードだけでも早期アクセス版として公開できるんじゃないかなぁ……とも思ってしまいます。実際にナイフを作るのは日本では欧米以上に(心理的な面でも)障壁がありますが、そこを気にせずバーチャルで好みの刃物を突き詰められる本作は、日本でも大きな話題になりそうな内容であることは間違いありません。

《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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