ポーランド・ワルシャワに本社を構えるゲーム会社と言えば、ご存知「CD Projekt RED」です。Game*Sparkでは、『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』のお披露目イベントに参加し、いくつか記事にてご紹介(先行プレイ/インタビュー)しましたが、本社のスタジオツアーも実施。世界中のゲーマーから愛され、熱視線を受け続ける「CD Projekt RED」のスタジオ内に潜入してみました。
まず、ワルシャワの本社スタジオは、CD Projekt REDおよび、GOG.comを運営しているGOGが入った建物と、モーションキャプチャースタジオなどが入った建物など、複数の棟に分かれています。今回のスタジオツアーで見学したのは、最初に挙げた建物です。なお、今回のスタジオ内のほとんどは、写真撮影が禁止だったので、事細かにお見せできないのですが、順を追って説明していきます。
1階のエントランスには、数々のゲーム雑誌の表紙、世界中のアワードで獲得したトロフィーが飾られていました。筆者の背丈を超えるほどのゲラルトさんスタチューもあり、ゲーム業界をリードする、CD Projekt REDの堂々とした風格が感じられます。
エントランスを通ってすぐには食堂があり、『ウィッチャー』プレイヤーならニヤリとする30ズウォティ相当の食事引換券も配られたので、カレーをいただきました。なお、食堂は、ベジタリアン向けのカウンターと、肉などが提供されるカウンターが分かれているとのことです(筆者はベジタリアン向けのメニューでした)。
2階に行くと、『グウェント ウィッチャーカードゲーム』のチームを始め、法務に関する部署などを様々に周りました。途中にある「図書館」と呼ばれる棚には、多くのビデオゲーム(機種問わず)や書籍などがたくさん置いており、借りることができるのだそう。アーティストなどがよく利用するとのことで、いつでもインスピレーションを得られるのは、良い刺激になるでしょう。
このほか、『サイバーパンク2077』のチームや大小様々な会議室なども見学。武器の作成に大いに役立つであろうモデルガンや、ゲーム制作のためだけに用いられるフィギュアなど、非常に興味深いものも。会議室には、映画「ブレードランナー」や「アキラ」のポスターが貼られていただけでなく、会議室名として『サイバーパンク2077』内に登場する語句がつけられていたりしました(筆者が見かけた中にKABUKIという一室も)。
最後はPRなどの担当者が働いているフロアを見学してCD Projekt RED側のスタジオツアーは終了。面白かったのは、トイレに男女、もしくはそれを表す記号が無く、男性トイレは「ゲラルト」、女性トイレは「シリ」の絵が描いてあるだけ、というシンプルさで、これはゲーム会社ならではですね。
続いて、PC向けゲーム販売プラットフォーム「GOG.com」を運営するGOGのフロアへ。こちらは、ゲーム開発などを担当するCD Projekt REDではなく、グループ会社のフロアとなっているので、完全に別会社。ツアーに同行してくれたCD Projekt REDの担当者も滅多に入ることはない(そもそもCD Projekt REDのパスでは入れない)と話していました。
GOG.comでは、10数年以上前のPCゲームも販売していますが、それほど昔のタイトルだと、最新のOSで動かない場合もあります。そのため、そういったタイトルに関しては、GOGが自ら移植を担当しているのだとか。QAチームなど、それに関係したチームもあり、ただゲームを販売するだけではない、今どきのPCゲーム事情も垣間見えました。
「ゲーム開発」というワードを聞くと、「籠りがち」という印象も無くは無いですが、CD Projekt REDのフロアも含め、全体的にガラスが多く使用されていて、明るいイメージを持ちました。ポーランドの気温が東京よりかなり低かったこともあり、窓全開!というわけにはいきませんでしたが、淀んだ空気感は一切感じません。
また、各階の至るところに、キッチンがあり(給湯室ほどこじんまりとしていない)、そこではコーヒーブレイクはもちろんのこと、ライトな会議を行うこともあるそうです。
スタジオツアーが終了したあとは、ワルシャワ市内のレストラン「Winosfera」にて、GOGの10周年記念パーティも執り行われました。こちらではビュッフェスタイルのおいしい料理やワインに舌鼓を打ちつつ、ゲーム音楽のコンサートなどが実施。筆者は、この翌日の飛行機の関係上、最後までは居られなかったのですが、スタジオ関係者や世界中のゲームメディア/インフルエンサーなどが集まり、話題の絶えない盛り上がりを見せていました。
なお、CD Projekt RED本社内の様子は、Google Mapにてパブリックに公開されていますので、興味のある方はこちらからチェックしてみてください。
(取材協力:CD Projekt RED)
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
Steamの“作業支援ツール”ジャンルにドット絵スタイルのフォロワーが登場。女の子と一緒に作業に没頭するチル系アプリ『Chill Pulse』【今週のインディー2選】
-
20年ぶりシリーズ新作SFRTS『Homeworld 3』プレイレポ―現代的に強化されたグラフィック、ロード時間の短さやバグの少なさも満足度大
-
海外レビューハイスコア『Cryptmaster』―ブラックユーモアに満ちた冥界と、古き良きタイピングの融合はプレイ必須
-
【漫画じゃんげま】419.「私の手!」の巻
-
日本舞台のシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』を「操作できる弥助」が登場するゲームでしばし待つ―史実の外国人武士の姿を既存ゲームに求めてみた【特集】
-
『アサシン クリード シャドウズ』エデンの剣の行方や如何に?戦国ロマン滾るセッティングを分析【ゲームで世界を観る#76】
-
【吉田輝和の絵日記】魔女っ娘のところには猫ちゃんと変なおじさんがよく集まる!『サガ エメラルド ビヨンド』
-
【クラフトサバイバル名鑑】人喰いサメと旅する海洋サバイバル『Raft』リソース収集と建築、冒険のバランス感覚が秀逸!小さなイカダはやがて唯一無二の拠点に育つ
-
【大喜利】『鍛え抜かれたゲーマーだけが持っている特殊能力とは?』審査結果発表!
-
【特集】『ANIMAL WELL』はなぜヒットした?謎解き重視の探索型ACT、多くを語らない手探り感が魅力