説明会にてデモプレイの解説や、ディテールを語ってくれたのは『World of Warships』のアートディレクターで、Wargaming.net サンクトペテルブルグスタジオのOparin Anton氏。戦艦のモデルを作るのには長い年月と労力を費やしたと語るAnton氏。戦艦では500以上の個別モデルが使われており、それを組み合わせて作られているとのこと。大きな戦艦では最低でも27万ポリゴンが使われており、精巧なモデルによって迫力のある艦船に仕上がっています。無論、製品版ではグラフィック設定が変更でき、ほどほどのスペックでもプレイできるようになるようです。
展示されたものはGamescomのために用意された専用クライアントとなっており、本来はPvPがメインなのですが、今回はPvE仕様となっています。プレイアブル展示で操作できる艦船は6つ。Tier 7戦艦「長門」、Tier 5戦艦「金剛」、Tier 8駆逐艦「吹雪」、Tier 5駆逐艦「峯風」、そして米海軍の重巡洋艦「ペンサコーラ」と軽巡洋艦「オマハ」となっています。
最初のデモプレイは戦艦「長門」で出撃。今回のミッションは味方の空母を護衛しつつ、目的地へと移動すること。そして、もう一つのミッションは可能な限り敵艦船を撃沈することとなっています。
艦船は前部砲塔と後部砲塔に分かれている艦が多く、最大火力を発揮するには敵艦に対して側面を向けて全砲門で砲撃できる状態にする必要があります。筆者もプレイしましたが、これがなかなかに厄介で側面を見せれば被弾面積が広くなってしまい自身もダメージを受ける可能性が高くなってしまいます。なにより側面を向け続けるのが意外に難しく、油断すると前部砲塔の旋回範囲から外れてしまい後部砲塔のみで戦うことに。また、できるだけ艦底部を攻撃すると大ダメージを狙えるとのこと。水面を狙い水中にある艦底部に狙いを定めて砲撃するといいようです。
遠距離砲戦が主となる海での戦いは、発射から弾着までにタイムラグが発生してしまいます。砲撃時は敵艦船がの動きにあわせて、未来位置を予測して砲撃を加える必要あるとのこと。本作では初心者でもプレイしやすいように予測位置が表示されるので安心して戦うことができそうです。
また、艦船に搭載している偵察機を発艦させることで、より広い視界を得ることができます。砲撃方法も種類があり、一斉射や各砲塔の逐次砲撃が行えるとのこと。状況や攻撃チャンスを見逃さないように使い分ける必要がありそうです。なお、対空砲火などは自動化されており、敵航空機が飛来すると自動で迎撃を開始します。主砲に関しては今現在、残弾数という概念はないとのこと。艦船には膨大な弾薬が搭載されており「ゲーム中で撃ち尽くすことがないから」と説明しています。
日本海軍艦艇に欠かせないのが魚雷。非常に高いダメージをたたき出す強力な兵装です。一点集中での射出のほか、扇状に発射して命中率を高めることもできるとのこと。命中させるだけではなく敵陣営の崩壊を狙ったり、進路上に射出して回避行動を強いらせたりなど副次的な使い方がありそうです。また、日本の魚雷は他国のものと比べて3倍近い射程距離があるとのこと。バランスの都合上、航跡が見えづらいはずの酸素魚雷の航跡は見えるものの、日本海軍艦艇の強力な武装の一つになりそうです。また、ゲームバランスに配慮した調整が行われているようで、例えば日本の重雷装艦である軽巡洋艦「北上」では、多数の魚雷発射管を搭載しており、それをそのまま実装してしまうと、とんでもない火力になってしまうので適切な調整を行っていくと語っていました。
次にデモプレイを行ったのは駆逐艦「吹雪」。戦艦に比べかなり小型な駆逐艦は機動力に優れ、耐久力や装甲に劣るものとなっています。砲も小さいものを搭載しているため、攻撃力にやや難がありますが、魚雷を搭載しており、高機動による突撃からの魚雷攻撃は非常に強力とのこと。また敵の視界を遮る「煙幕」を装備しており、味方艦船の姿を隠したり自身が煙幕に紛れて接近したりと、戦略的に重要なポジションになりえそうです。
魚雷や主砲の発射にはそれぞれ「砲弾」視点、「魚雷」視点も用意されており、自艦から発射した砲弾や魚雷を着弾するまで追尾して観測することが可能。臨場感抜群な演出という以外にも、攻撃目標への着弾確認に使用できます。また、各国の特色ある兵装についても、史実に基づきゲームバランスを調整しつつ実装されているとのこと。主砲や砲弾、魚雷はもちろんのこと空母に搭載される艦載機も当時の国ごとの特徴を再現するなど語っており、各国海軍艦艇の特徴が色濃く出ることになりそうです。
数少ないオンライン海戦ゲームとして高い注目を集めている「World of Warships」。現在実施されているアルファテストでは12対12での戦闘を行っていますが、リリース時には15対15へと引き上げられる拡大するだろうと説明。その後、もしかしたらそれ以上の数での戦闘もあるかもしれないと語っていました。アルファテストが終了後、おそらく今年の秋か冬頃に次のステップへと進むと語っており、年末にはオープンベータを検討しているとのこと。冬の到来が待ち遠しくなりそうです。
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